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山崎隆のシェアハウスで幸せになる方法

シェアハウスとグローバル化(インバウンド市場の活況)

超ゲゼルシャフト型社会という社会現象を加速させた背景にあるものは、IT化であり、グローバル化でもあります。最先端技術でもない限り、日本の製造業は、低賃金の雇用と市場を求めて、海外に進出せざる得ない状況でもあります。
しかし一方で、グローバル化は思わぬ副産物をもたらしました。それが“インバウンド市場”の急拡大です。観光目的の訪日外国人の数は急増していますが、中には観光だけでなく日本で一定期間暮らそうとする層も急増しています。
日本語を学びたい。寿司職人の修行をしたい。合気道や禅を本格的に学びたい。これは長い歴史を持つ日本文化に対する諸外国の関心が増しているということでもあります。

京都や浅草といった歴史的な観光地に限らず、日本の変化に富んだ自然を楽しもうというブームも定着しています。富士山だけではなく、リゾート地として沖縄や北海道も人気です。

沖縄の海は、間違いなくハワイより美しい。北海道の雪質は、世界中のスキーヤーにとっては憧れと言われています。経済成長中のアジア諸国には雪が降りませんから、アジアの富裕層も大挙して来日しているのです。

日本列島は、南北に長く高低差の激しい複雑な地理的条件を抱えているので、こうした観光資源にも恵まれています。恐ろしい地震の巣窟となっている活断層は、一方で複雑な地形だけでなく、全国各地に多くの温泉源を生み出しています。

これら日本の風景は、動画やSNSで世界中に拡散され続けているので、インバウンド市場の将来性には大きなポテンシャルが秘められているということです。

このインバウンド市場における外国人による新しい人口動態が、日本人の少子高齢化や人口減少により停滞しつつあった賃貸マーケットを一部で活性化させています。
もしかすると、空き家問題や限界集落や過疎化の問題で悩む一部の地域の問題を解決する切り札になる可能性すらもあります。エアビーアンドビー(airbnb)などによる民泊マーケットの活性化も期待されています。今後、規制緩和をめぐり議論が白熱するでしょう。

世界の人口は約70億人です。この中で国民一人当たりGDPが2万ドルを超える国が42カ国あります。総務省の統計によると、一定の水準で衣食住の安定が確保されている国の人口は、その約2割から3割と言われています。つまり、中産階級層又はその予備軍は、少なくとも約14億人前後の人口になるということです。

世界中の人々の趣向は千差万別です。ですが、その中には、アニメ、日本食、武道、音楽(特に初音ミク)といった様々な日本文化に関心を持つ層が相当数いることが判明しています。“進撃の巨人”や“エヴァンゲリオン”だけで数億の発行部数を誇り、初音ミクは世界中で大規模なコンサートを成功させています。

余談ながら、“初音ミク”という大物スターの歌姫(?)を知らない人のために、ここで説明をしておきましょう。
彼女(?)は、楽器メーカーのヤマハが開発した音声ソフトを使って、クリプトンという北海道の企業が音源化した歌手(?)ですが、ボーカロイドと呼ばれています。バーチャルアイドルとも呼ばれます。
彼女は「老けない、死なない、スキャンダルが無い」というキャラクターの持ち主ですから、ユーチューブなどの動画を通じて、日本の文化を日本語の歌や映像にのせて、しかも永遠に世界中に拡散され、文化媒体として自動的に活動を続けるということを可能にしています。

また、この度“日本食”が無形文化遺産に登録されましたが、その愛好者に至っては、いまや世界中で10億人を超えるかもしれません。

いずれにせよ、これら様々な日本文化ブームの波及効果は、やがて爆発するかもしれない(もう爆発しているかもしれないが…)インバウンド市場の潜在的な大きさを暗示しています。
外国人が一気に押し寄せて来ても、空港のキャパシティが追いつかないでしょうが(パイロットも不足していますので)、それでも、少なくとも現在の訪日外国人数が2千万人というのは少なすぎると考えている専門家は多いのです。

外国人の目にとっては、シェアハウス、ゲストハウス、民泊施設などは、リーズナブルに長期滞在化を可能にしてくれるため魅力的に映るでしょう。
つまり、まったく新しい賃貸マーケットが、それも都会だけでなく地方都市にも、生まれてきたということです。しかも、お客さんは世界中に無尽蔵にいるかもしれません。

公開日:2016年6月29日

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